更新と有料作品の開示(ちょっとだけ。)

2018年09月05日

台風が行過ぎて我が故郷関西は大変な被害があったといいます。
謹んでお見舞い申し上げます。

さて、noteにおいて文章を書き進めております。

まず、戦場の悪魔シリーズ。そして百円コーナーにプロレスを題材にした分りやすいM格闘小説を。さらにレギュラーラインにその続編を配しました。

よければ「作品集」よりご鑑賞ください。

本日は諭吉の小説読みたいけどどんなものか分らないのにお金払いたくないというそこのあなたに少しだけ私の作品を開示いたします。もし興味があれば是非、ご購入ください。

よろしくお願いします。


『とあるヒーローの絶望』

 授業が終わるチャイムが鳴り、すこしかったるそうに肩からカバンをぶら下げて下校してくるのは、結城正。高校2年。少し年の離れた小学六年生の弟がいる。今日は、弟の優と待ち合わせをして近々誕生日である母親のプレゼントを買いに行く計画があるのだ。

午後四時、時間通りに待ち合わせ場所の公園に着いた正はすぐに優を見つけ出し声を掛けた。「おーい。優、ほら行くぞー」優は「あーん、お兄ちゃんちょっと待ってよー!」と後を追いかけてくる。二人は大の仲良しだった。
正しのあとを少し息を切らせてついてくる優が「ねえおにいちゃん、なんかまたモンスターが出てるみたいだね」、正は生返事で濁す「ん、ああ。」
今、世間で騒がれている話題に連続殺人事件がある。奇妙な変死体が複数発見されているのだ。一人は体中の骨を砕かれ、一人は首の骨だけを断絶され、一人は頭骨を物凄い力で潰されて死んでいた。被害者はどれも男性。そのほかに共通点はなし。正は弟以外に秘密にしている事があった。それは正は『VC-3』という名のモンスターハンターであり、日本政府が極秘裏に運営する害獣外敵駆除部隊の筆頭メンバーである事だ。
弟の優は兄がVC-3である事を相当誇りに思っているらしく、いつも変身した兄がモンスターを倒すのを物陰から見ている。今日も優は新たに巷を賑わしている話題のモンスターに出くわさないかと密かに楽しみにしているのだ。
それを見咎めた正は諭すように優に言う。「あのなあ、優。モンスターなんて出ない方がいいし、出会わない方がいいの。そもそもお前が近くに居ることだって危険すぎるんだからな。」優は唇をとんがらせて「だってーー。」と駄々をこねる。「さあ、さっさと買い物済ませて帰るぞ!」正が言うと優も嬉しそうに「うん!」と答え、そのあとをついてゆく。

暗い話題が色濃く出る世相にあってあまり聴こえては来ないが、明るい話題もじつはそれなりに充実している。とくに学生を色めき立たせているのがアイドルユニット「e-kans」である。このユニットは容姿端麗、歌もダンスも素晴らしく、ここのところテレビに出ない日はないといっても良い人気だ。メンバーは3人。最年長が20才の高野愛美、肩までの綺麗な髪と最年長らしくない愛らしい童顔と最年長らしい体つきのよさが人気だ。そして18才の月野琴音、セクシー担当といわれる月野はクールに見える端麗な顔立ちと、細身ながら出るところは出ているスタイルのよさが世の中の男子学生や中年あたりまでを狂わせている。そして17才、渡辺渚。渚は最年少らしい無邪気な妹キャラで人気があるがひとたびグラビアになると琴音や愛美に引けをとらない凄まじい色気を現すことがある。正は硬派を気取っているため、あまりあからさまに興味を示したりはしないが優はまだ小学生なのでキラキラ輝く少し年上のお姉さんたちに対してとても興味を抱いている。ちなみに推しは最も年齢が近い渚だそうだ。優は何度か握手会にも通っている。
この日も買い物に寄った駅前のオーロラビジョンに歌い踊る三人の姿が大きく映し出されていた。


随分日の暮れたころ、買い物を終えた二人は家までの近道、とひと気のない建物の敷地を横断していた。すると物陰にうごめく人影を正が発見した。いつもの癖で怪しいやつか?と眼光鋭く観察を始めた。手で優を制し、離れていろ、と小さな声で伝えた。優は、ただならぬ兄の気配に声されて、うん、と小さく返事をして少しはなれた木の陰に隠れた。
「だれか、いるのか?」正は用心深く声を掛ける。物陰で人が蠢く気配がする。そこに姿を現したのはとても綺麗な顔をした女の子、それも月野琴音だった。琴音は小さくか細い声で「ごめんなさい」といった。
正はおもむろに面食らったように慌てふためき、「え?っと、あの?」と素っ頓狂な声をあげるのが精一杯だった。
「私、今日の撮影が嫌で、どうしても嫌で、抜け出してきてここに隠れてたんです。おねがい、ここで私に逢ったこと、誰にも言わないで。」
すこし落ち込んだ様子でもテレビで見るより何百倍も可愛い琴音の、テレビで聞くより何千倍も可愛い声が正の心を懐柔する。学校の制服も琴音が着ると何かの衣装であるかのように様になる。短いスカートも目のやり場に困る。
「う、うん、わかったよ。でも、最近物騒だから、暗くならないうちに帰るんだよ?きっとみんなも心配してるだろうしさ、」と正が言い終わり、何気なく琴音が現れた物陰を覗き込むとそこには首を捻じられて死んでいる男の死体が転がっていた。
瞬間、先ほど意気消沈していた人物とは思えぬほど危険な笑みを湛えた琴音が正に躍り掛かった。短いスカートがめくれ上がるのも気にせず、大きく脚を開いて正の腕を股の中に咥え込み強烈に回転し腕拉ぎ十字固めを一気に極めた。「見られちゃったー?じゃあお兄さんもここでゲームオーバーですー!キャハハ!」背筋の凍るような猫なで声で語りかけながら、正の頭と体を押さえつける脚に体重を掛けて太ももの挟み込みを強くし、尻を地面から浮かせ腰を押し上げる。胸に押さえられた正の腕は琴音の体に沿ってしなって押し上げられた恥骨のあたりで肘が潰されてゆく。
「ぐああああ!!」不意を突かれた正は対処も出来ずにされるがままにアイドルに腕を折られようとしている。「あんまり大きな声出さないでくれるかなー?」琴音は観客に向かってしゃべるようなおどけた調子で話している。股間で正の腕をメキメキ締め上げたまま。
強い。正は、もしかすると本当に危ないかもしれない、と思い立ち木の影に居る優にむかって「逃げろ!!!」と叫んだ。逃げ足だけは速い優だ、今敵は俺に組み付いて離れないから、きっとすばしっこく逃げ遂せるに違いない。正はそう踏んで優に指示を出した。が、一向に優が隠れたところから出てくる気配がない。
「なぎさー?」琴音が正の腕の折れるか折れないかの按排を腰の突き上げと太ももの挟み込みの強さで調整しながら、木陰に向かって声を掛けると、よろよろとした人影が一つ出てきた。
それは後ろから自分より少し背の高い渡辺渚に腕で首を絞められている優だった。優は首を絞められ顔色を紫色にして、爪先立ちになりながら必死に歩いている。渚はやはりテレビで聞くような明るい声で正に話しかける。「もう十回くらい絞め落としたから、ボヤーっとしちゃってるけどこれ、弟君。呼んだ?」


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これはわたし諭吉がnoteにて初めて書いた作品です。
逆リョナ、M格闘が好きな同志に贈ります。noteだと有料のエリアを少し開示しております。
是非続きを読んでみてください。きっと好きな世界が広がっていますよ。

ではまた。


諭吉

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